松木眞澄「名工の技と心」

名工の技と心
サロンド京都は松木眞澄先生に染色についてさまざまなアドバイスをいただいております。ここでは松木先生のことに少し触れてみたいとおもいます。
松木先生の作品には、下記のような独自で困難と思われる技法が使われています。
@表裏が同一柄の小紋
型の表裏を使い、糊伏して両面を同一の柄で染め上げるもの。このとき地色は別色です。

A日本画の朦朧体(もうろうたい・・・線を使わず色彩と濃淡だけで描く画法)を染色にとりいれた作品。
朦朧体…明治30年代東京では横山大観、菱田春草、京都では明治40年代から大正時代にかけて竹内栖鳳門下小野竹喬、および村上華岳、土田麦僊、入江波光(4人は京都市立絵画専門学校→現京都市立芸術大学同期生)、榊原紫峰(以上5人は国画創作協会のメンバー)などが用いた技法。
B表裏が別柄の小紋
表裏の防染をおこない表裏別柄で染め上げたもの。摺(す)り、写し糊どちらの染色でも可能
手描き友禅
松木先生といえば型小紋が連想されますが手描き友禅の作品もあります。
日本伝統工芸染織展で入選された作品を拝見させていただきましたが、細かな線で染め上げられた作品は、一つ一つの線が絵画タッチで生き生きと描かれており、時の経過した今でも新鮮な感動を呼び起こす印象深い作品でした
。
しかし型友禅の職人が激減している現状に危機感を持たれ、型友禅にたずさわることが多くなりました。平成19年9月に先生の考えに賛同する4名の染色業者とともに「京の型染技術研究保存会」を設立し、型染めの保存、研究、後継者の育成をめざしてさまざまな活動を続けておられます。

「日本色名大鑑」「日本色彩文化色標制作」「和の伝統色名帳」など伝統色に関する記述、著作も多く、また「京の友禅史」の編集もされており業界の生き字引のような人です。
色彩に化学を応用しなければ本当の意味で色を理解し、表すことができないというのが松木先生の持論。
京都に見られる華やかな作風は京都画壇の日本画的な色彩に影響され、また東京で細かな柄の小紋が好まれるのは、武士階級が裃(かみしも)に身分の高いほど細かい難しい小紋柄を要求したため、現在もそのような小紋への嗜好が強いと解説してくれました。
「人のできないことに挑戦する」これが松木先生のすべてのエネルギーの原点になっているようです。
松木眞澄
勲六等瑞宝章
卓越技能者(現代の名工)
京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)
